【第990】昨日の日経MJ |
昨日の日経MJに「スーツ月額レンタル撤退」という記事がありました。
同記事の内容としては、紳士服大手のAOKIは、4月から始めたビジネスウェアの月額レンタルサービスから撤退したということです。
その要因としては、会員数は順調に伸びていたが、システム構築やサービスの運用費用がかさみ、採算が合わないと判断したと記されています。
また、先日に高級車ブランド「キャデラック」も2017年から始めた定額乗り放題サービスを一時休止したという記事がありました。
その要因としてもオーバーコストで採算が取れなかったということです。
定額サービスで言うと、日本でもトヨタ自動車が定額乗り放題サービスを2019年から開始すると発表しているので、料金設定やサービス内容などは慎重にならざるとえない状況になっています。
「定額サービス」というのは、企業にとっては魅力的なビジネスモデルであると考えており、その理由の1つに収益を毎月見込めるという点です。
定額サービスの場合は、売上を単純に考えると「利用者」×「単価」になります。
この利用者は毎月変動するものの、ある一定数を見込むことができるので、毎月の収益がある程度わかります。
一方で、一般の自動車販売で考えると、「購入者」×「単価」になりますが、この購入者は月によって大きく変化するため、毎月の収益を見込むのは難しくなります。
この違いはビジネスをする上では大きな違いであると考えており、安定して運営できるのは「定額サービス」のようなモデルであると考えています。
そのため、AOKIやキャデラックの取り組みは面白いと思ったのですが、それほど甘くない取り組みでもあるということになります。
しかし、個人的には料金形態やサービス内容を突き詰めて考えることによって、継続して提供できるモデルであると考えています。
具体的には何をすればよいまでは考えられていませんが、時代の流れを考えるとモノは「所有」から「利用(シェアなど)」へシフトしているので需要はあると感じます。
そのことを考えるとトヨタ自動車がどのような仕組みでサービスを提供するのかは楽しみであり、注目すべき点になってきます。
フィットネスクラブも「定額サービス」の1つになりますが、サービスを突き詰めることをしなければ、AOKIやキャデラックと同じ道を歩む可能性があります。
そのことは危機感を持つ必要があり、考え行動し続ける必要があると考えさせられます。