【第1159】ビジネスモデルも大切、ただそれよりも |
本日の日経新聞に「外食に広がる定額制」という記事がありました。
同記事の内容としては、動画や音楽を定額配信するサブスクリプション(サブスク)の波が飲食店にも広がっており、毎月数千円の定額で飲食ができると人気で、対象は居酒屋やラーメン店にもなるということです。
このサブスクは2018年ヒット番付に入っていたものであり、2019年になっても広がりを見せ続けることになると思います。
その背景には「安定した売上を見込める」というものがあると思います。
一般的に飲食店というのは1日ごとに売上が変化するビジネスモデルであり、1ヶ月の売上はある程度予想できるものの、外部要因に大きく影響を受けてしまいます。
例えば、天候が悪いことによってお客さまの来館が減少し、そのことが売上に大きな影響を与えます。
このように不安定なビジネスモデルであるため、サブスクのような1ヶ月の売上をある程度予想できるビジネスモデルは魅力的と感じるのは必然であると思います。
また、ある程度予測できることによって、運営しやすいという一面もあります。
ただ、そのようなビジネスモデルだから参入したところで運営がうまくいくとは限らず、大手企業であるAOKIやキャデラックは事業から撤退している背景があります。
記事の中で、カギを握るのは「来館頻度」と「損益分岐点の予測」と記されていますが、もちろん大切な観点だと思いますが、それ以前の問題として「価値提供」が大切になると感じます。
世の中には様々なサービスがありますが、そのようなサービスを受けようと行動を起こすきっかけには「価値」という観点が必ず存在していると思います。
例えば、飲食店で考えると食欲を満たす、おいしいものを食べる、雰囲気を楽しむ、価格が安いなど、その飲食店を選ぼうと思うきっかけが存在しており、そのきっかけが「価値」になります。
この「価値」がすべての土台となっており、その土台ができていない状態で取り組みを始めたところでうまくいくわけがありません。
この部分をどのように考えるのかは重要であり、今流行っているために取り組むのではなく、自らが提供している価値とビジネスモデルが合致しているのかを考える必要があると思います。
そのことを考えることができなければ、いくら優れているビジネスモデルであってもうまくいく保証はありません。
やはり、本質になるのは提供できる「価値」であり、その価値を高めるために個人として、企業として成長していく必要がありますね。